(第8話)アドヴェントを知って、アドヴェントを楽しもう クリスマスクッキーのレシピ/門倉多仁亜 【連載】あなたの「おいしい」が、だれかの「うれしい」に
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(第8話)アドヴェントを知って、アドヴェントを楽しもう クリスマスクッキーのレシピ/門倉多仁亜

ここ数年、日本でも、ドイツのクリスマスマーケットや、クリスマス菓子のシュトレンが人気ですね。日本のクリスマスというとパーティーのような賑やかなイメージがありました。それが最近、伝統的なシュトレンがこんなにも受け入れられ、とても嬉しく思うと同時に、みんなのクリスマスに対するイメージが少し変わってきたのかな〜と感じています。

ドイツのクリスマスも商業化されてしまっているのは事実です。ジングルベルが流れるデパートのイヴェント会場はフランクフルトにもあります。でも私が好きなドイツのクリスマスはそうではなく、日本で言えばお正月のような、伝統が残る祝日です。家族や大切な人と家庭の食卓を囲み、与えられた今に感謝をする、静かな時間を過ごす厳かな日なのです。

11月の終わりくらいからスタートするアドヴェント

冬のドイツはとても寒く、暗い季節。日の出は午前8時くらいで、小さい頃は懐中電灯を持って学校へ通っていました。そして夕方の4時前には、すでに日は沈み、外は真っ暗です。

ほとんど晴れることはなく、毎日どんよりとした日が続き、なんとなく寂しく、なんだか不安な気持ちになる季節なのです。

そんな落ち込んだ気分を晴らしてくれるのが、11月の終わりくらいからスタートするアドヴェント(Adventzeit)です。クリスマスイブ直前の日曜日からさかのぼって4回めの日曜日を数えてみてください。この日がアドヴェント期間の始まりで、今年は11月29日から。

この日にまず準備するものは、アドヴェントクランツ。これはリースのようなものなのですが、天井から吊るしたり、テーブルの上に平らに置いて、4本のろうそくを立てます。そして第一アドヴェント(Erster Advent)の日曜日にはまず、1本のろうそくを灯します。そして毎週、日曜日になるたびにもう1本のろうそくに火をつけていき、クリスマスまでカウントダウンをしていく仕組みです。

街ではこの日からクリスマスマーケットがオープンします。真っ暗だった街の中心の広場が華やかにライトアップされ、少しワクワクした気分になってきます。家庭ではクリスマスツリーやプレゼントの準備を始めたり、シュトレンやクッキーを焼いたりして、少しずつクリスマスの準備を進めていくのです。

部屋の飾り付けもしますが、最も大切な飾りは、あちこちに灯されるろうそくです。

暗い中、柔らかいろうそくの灯りは家の中の温かさを演出してくれるだけでなく、希望の象徴と考えられています。

できればツリーも飾りたいですね。最近はエコの観点から、カーボンフットプリントが高い海外からくるツリーを避けるべきとか、化学肥料を使ったものはダメとか、それなら何年も使えるプラスチックのツリーの方がいいなど議論が湧き起こっていますが、できるなら、家中を森の香りに包んでくれる、生命力の象徴でもある常緑樹のモミのツリーが素敵ですね。

そしてツリーには、できれば電気のライトではなく、クリスマスツリー専用のクリップで留めた、本当のろうそくを灯します。ジンジャークッキーを焼いて、お菓子の家(Lebkuchenhaus)も飾りたいですね。外出から帰ってきてドアをあけて、モミの木とお菓子の家のスパイスの香りが漂えば、祖父母と過ごしたクリスマスの思い出が蘇ります。

おばあちゃんが教えてくれたこと

長い準備期間のあるドイツのクリスマスでは、メインの日はクリスマスイブ。この日ばかりは、遠くに住む家族が実家に集まります。おばあちゃんは、いつもおきまりのローストポークをメインに、紫キャベツとりんごの煮込みとマッシュポテトを添えたディナーを用意してくれました。そしてテーブルセッティングのお手伝いをしながら、教えてくれたことが一つあります。

それは、集まる予定の人数よりも必ず一つ多くの場所をセッティングしなさいということです。もしも暗くて寒い中、旅人がドアをノックして食べ物を恵んでくれないかと尋ねたら、”お待ちしていました”とテーブルに通してあげられるようにと。それがクリスマスの心だよと。特に宗教心の強い家で育ったわけではないのですが、この話を思い出すといつもグッときてしまいます。人を思いやる気持ちは宗教に関係なく、人間として忘れずにいたいですね。

今年はコロナ禍の中で、クリスマスとお正月を迎えることになりそうです。人々がお互いを警戒し合っている今だからこそ、年末年始の祭日に、特に大きな意味があるように思えてなりません。自分や、自分の家族だけがよければいいというのではなく、身近にいるもの同士、互いに手を差し伸べあえたら、そんな素敵なことはないですね。

難しいことではありません。

知り合いに留学生や単身赴任など1人で過ごす人がいたら声をかけたり、例えば自分の家のクリスマスディナーに招待するのが難しければ、焼いたクッキーなど小さなプレゼントをするのはいかがでしょう?ささやかなことかもしれませんが、気持ちはきっと相手に届きます。このようなちょっとした心遣いが、”Do well by doing good.”の精神だと思いませんか?

クリスマスクッキーのレシピ

今号は我が家の定番、ドイツのクリスマスクッキーのレシピを紹介します。バニラキプフェルといって三日月の形をしているのですが、バターと砂糖と小麦粉だけで作れる卵不使用のクッキーで、食べた時に口の中でほろほろっとする優しい味わいです。

伝統的にはバニラ風味で作りますが、今回は、我が家の庭に成っている、日本ではお馴染みのゆずで香りづけしたキプフェルを作りました。フードプロセッサーがあれば5分でできる(なくても15分でできる)簡単なクッキーです。ぜひ作ってみてください。

ゆず風味の三日月クッキーの材料

材料(25~30個くらい)

薄力粉100g、粉糖25g、アーモンドプードル35g、冷やしておいた無塩バター 75g、ゆずの皮 少々、飾り用の粉糖 適量

 ゆず風味の三日月クッキーの作り方

①1日前に、飾り用粉糖を100gタッパーに入れ、すりおろしたゆずの皮 少々を一緒にいれる。そのまま置いて、粉糖にゆずの香りを移す。

②フードプロセッサーに薄力粉、粉糖、アーモンドプードル、サイコロ状に切った無塩バター、ゆずの皮のすりおろしをいれて撹拌する。最初は材料がバラバラだが、混ぜているうちに生地がまとまってくるので、そうしたらすぐに止める(手で混ぜる場合は、材料を大きめのボウルにいれて、カードで切るように混ぜる)。

③生地を台に出して軽くこねるように丸くまとめる。

④7~8gの生地を7~8cmの棒状にのばして。三日月の型に曲げる。

⑤バットにベーキングシートを乗せ、クッキーを並べて冷蔵庫で30分間冷やす。

⑥少し間隔をあけて鉄板に並べ、150度に熱したオーブンで、色づきはじめる程度(10分ほど)に焼く。

⑦網にのせて冷まし、濾し器で、ゆず風味の粉糖をたっぷりふる。クリスマス缶に入れて保存する。

ちなみにこのクッキーですが、バニラのクッキーに比べると若干早く香りが飛ぶので、柚子の風味を満喫したい場合はお早めにお召し上がりくださいね。

<プロフィール>

門倉多仁亜

1966年兵庫県生まれ。日本人の父とドイツ人の母の元で日本、ドイツ、アメリカで育つ。国際基督教大学卒業後、証券会社の勤務を経てコルドンブルーにてグランティプロムを取得する。

現在は、東京と夫の実家のある鹿児島の2拠点をベースに暮らしており、料理教室を主宰する傍ら、メディアを通してドイツ人のシンプルな暮らしをメディアを通して紹介する。

著者、「タニアのドイツ式心地よい暮らしの整理術」(三笠書房)、ドイツの焼き菓子(SBクリエイティブ)など。

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