ワクワクしながら社会課題の解決に取り組んでいきたい(前編)/俳優・小関裕太さん、兵頭功海さん 【Cover Story】ひろがる「楽しい」ソーシャルアクション!
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ワクワクしながら社会課題の解決に取り組んでいきたい(前編)/俳優・小関裕太さん、兵頭功海さん

アミューズに所属する若手俳優によるユニット「チーム・ハンサム!」。メンバーは、ドラマや映画などで活躍しながら、チームとしてもさまざまな活動に取り組んでいます。その一例が、2021年のバレンタインデーに「imperfect表参道」とコラボレーションして進めた、農家や環境に配慮した原材料で作られたオリジナルチョコレートの開発。そのように、環境や社会課題について関心の高い「チーム・ハンサム!」のメンバーの中から、小関裕太さん、兵頭功海さんのお二人に、仕事にかける思いや、環境問題についての考えなどを語っていただきました。

(文責:DOWELL編集部・中津海麻子)

俳優としての壁、そして転機

「映画で見たタップダンスに憧れ、芸能活動を始めました」と話すのは小関裕太さん。幼稚園のお昼寝の時間にディズニー映画の「メリー・ポピンズ」が流れていて、屋根の上でタップダンスをする様子に「かっこいい!」と感動。「見よう見まねでやってみて、スニーカーを何足もダメにするほど夢中になりました」と当時を懐かしそうに振り返ります。小学校に上がると同時にタップダンスの教室に通うように。その教室の中に小さな芸能事務所があり、CMやドラマの子役としてのキャリアをスタートします。

一方、兵頭功海さんは、幼いころから野球漬けの毎日だったとか。「プロ野球選手になって有名になる。それが夢でした」。しかし、高校野球が終わり夢は破れます。燃え尽きてしまった息子に母は「東京に行ってみたら? 一人暮らしして自立しなよ」。

その言葉に後押しされ、故郷の福岡から一路東京へ。「今考えると本当に何も考えず出てきちゃった。無謀ですよね」と兵頭さんは笑いますが、野球以外でどうしたら有名になれるかを考えた時、自分の中に「映画」があることに気づきます。

「映画は親の影響で小さいころからよく見ていました。東京で何かをするなら映画に出てみたい、と」。映画の出演権をかけたオーディションに合格し、2018年、デビューを果たします。

映画を「見る」のと「出る」のでは全く違うのでは? そう聞くと、「そのときは課題のセリフを頑張って覚えて、でも、どんな顔で言えばいいのかもわからないまま終わりました」。その兵頭さんの言葉に、「お芝居って教科書がないし、感覚で身につけていくものだから難しいよね」と小関さん。そして、子役時代から仕事を続けてきた小関さんならではの「壁」について語り始めます。

「苦労したのは『反抗期』です。実は僕、反抗期がなかったんです」

小学生から中学生にかけての3年間、「天才てれびくんMAX」(NHK教育テレビ)にレギュラー出演。とにかく収録が忙しく、子どもとはいえ体力的にきびしかったといいます。そんな息子を、親御さんはときどき車で送迎してくれたそう。「ムカつくこともあったけれど、もしここで僕が反抗的な態度を取ったら送り迎えしてくれなくなるかも……と。車での送り迎えを犠牲にしてもイライラする気持ちを発散するか、ぐっとこらえて楽に移動するか、天秤にかけて移動を取りました」。そう言って笑い、こう続けます。

「物事を俯瞰して、自分の感情を抑え込む技を身につけてしまった。そんな折、反抗期の少年の役がきて。僕自身が経験していないから『怒り』という感情がわからず、苦労しました」

それでも順調に出演作品を重ねていく小関さん。大きな転機となったのは、高校生のときに初めて主演した舞台「FROGS」。演出の岸谷五朗さんから毎日毎日ハードルが与えられたといいます。なんとか超えたいと懸命に努力するものの、翌日稽古場に行くと「はい、次」と新しいハードルが課せられる。

「いつまでたってもたどり着けず、それがものすごく苦しかった」。

演出家でありながら役者でもある岸谷さんの言葉は、小関さんの苦悩する心に鋭く刺さったといいます。「今思えば、役者の、そして人生の大先輩からのありがたい言葉ばかりだったのですが、当時の僕は心身ともにボロボロになってしまったんです」

学校のテスト期間とぶつかったこともあり、学業と仕事の両立がつらくなり、「それが悔しかった」と小関さん。「それまで仕事は趣味の延長線上のような感覚だったけれど、もっとお芝居に集中しなきゃダメだ、本気で向き合おうと意識が変わったのです。以来、そのときの悔しさがバネになっています」

兵頭さんにとっての転機は、デビュー映画「五億円のじんせい」。わからない、できないなりに一生懸命演じたつもりでしたが、打ち上げの場では厳しい言葉をかけられたそうです。

「きつかった。みんな打ち上げを楽しんでいるのに、なんで自分は……、と。ただ、最初のオーディションで映画に出ることができて、正直『いけるわ』なんてタカをくくっていたところもあったんだと思うんです。それを見透かされ、へし折られた。悔しかったけれど、仕事って簡単じゃないし甘くないと気づかせてもらった」。兵頭さんもまた、そのときの悔しさが原動力になっていると言います。

広がっていく活動のフィールド

小関さんと兵頭さんは、同じ事務所のメンバーで組んだ若手俳優ユニット「チーム・ハンサム!」として歌、ダンスなど、幅広いパフォーマンスに挑戦しています。「僕は、俳優もチーム・ハンサム!の活動も、全部同じフィールドにある。そんな感覚」と小関さん。兵頭さんは「違う筋肉を使っている気がします」。対照的な回答ですが、二人がそう感じている理由について聞いてみました。

「僕は『天才てれびくん』出身ということも大きいかもしれない。お芝居も歌もダンスも、バラエティー番組で素の小関裕太として話をするのも、すべて含めてパフォーマンスでありエンターテインメント、という意識があるのです」と小関さん。ミュージカル映画に感動し、エンターテインメントの世界に憧れた少年の面影が見て取れます。

「とは言え、最終地点は必ず『役者』。たとえばチーム・ハンサム!のイベントで司会をすることもあるのですが、いずれ司会者の役をやるときに、その感覚をリアルで体験しているのはきっと自信になるはず。チーム・ハンサム!の活動は本当に幅広いので、未来の何かに生きる部分もあるなぁと。それがまたおもしろいんです」

小関さんの話に大きくうなずきながら、兵頭さんはこう語ります。「僕が『違う』と思ったのは、演技は役を通して何かを伝えるわけで、僕が僕として伝えるわけではない、という感覚が強いから。対してチーム・ハンサム!では兵頭功海個人として発信するので、それが『違う』と感じるというか。でも、根っこはすべて役者につながるという小関くんの話、すごく説得力があります」

同じ俳優でも、演じる感覚、伝える術は十人十色。だからおもしろい。小関さんはこう言います。

「僕らにとっては、すべてひっくるめて『役作り』につながるんじゃないかな」

「俳優」という職業にかける思いを、熱く語ってくれた小関さんと兵頭さん。後編では、お二人が新たに取り組んでいる環境問題や社会課題についてお話を聞いていきます。

 

(後編)を読む>>>

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