(第6話)エシカルカフェの勧め 焼き芋プリンのレシピ/門倉多仁亜 【連載】あなたの「おいしい」が、だれかの「うれしい」に
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(第6話)エシカルカフェの勧め 焼き芋プリンのレシピ/門倉多仁亜

三密になりやすい料理教室をたたみ、夫の出身地である鹿児島へ引っ越してきて、早くも半年が過ぎました。田舎暮らしは私にとって全てが初めての経験で、ワクワクする毎日です。

そんな暮らしの中でチャレンジしたことの一つに家庭菜園があります。失敗がないであろう瓜、ズッキーニ、プチトマトとハーブ類を植えることにしました。

雨が降り続いた7月、かんかん照りが続いた8月、数ヶ月の間でしたが、小さな畑を観察して実感したことは、気候・風土にあった植物とそれ以外のものとの育ち方の差の大きいこと! 瓜とプチトマトはたくさんの収穫がありましたが、乾燥地帯からやってきたズッキーニは雨が続くとどろどろと溶けてしまいました。また比較的涼しい気候に慣れている洋風ハーブの多くも苦戦。それに比べて、零れ種で芽が出ると言うシソの元気なこと! 極端な天気の変動にもヘコたれることなくグングン育つのです。土地にあった食材を育てることがどれほどエコなことか、身にしみて感じる経験をしました。

そう考えると、鹿児島に暮らすことになった私がもっと工夫して使ってみるべき、こちらならではの食材はいっぱいあります。中でも秋と言えば、まずはやっぱりサツマイモでしょう。不溶性食物繊維が豊富で、ビタミンCやカロテンをたくさん含んでいて体によく、そしてそれよりも何よりも美味しい! 自然の甘みがあって、食べれば満足感もあります。そんなサツマイモはヨーロッパにはない食材なので、洋風レシピを考えるには、工夫のしがいがありそうです。

そこで今日は、「お気に入りのカップにコーヒーを淹れて、地元で獲れた食材で作った手作りスイーツをいただく」、そんなコーヒータイムをオススメしたいと思います。

コーヒーを作ってくれた人の暮らしを応援

ただ、コーヒーというと社会課題の多い産業というイメージをお持ちの方もいることでしょう。少しでも安く原材料を仕入れて販売する、というモデルの上で成り立っている企業が残念ながらまだ大半だと思います。しかし、そうであるからこそ、私たち消費者の意識でその現状を少しでも変えることができるのではないでしょうか。

好きなコーヒーブランドは何を基準に選んでいますか? お店のかっこよさですか? 味ですか? でもこれからは、コーヒーブランドを選んで買うことは、そのコーヒーを作ってくれた人の暮らしを応援すること、と思って消費してみるのも素敵じゃないでしょうか。

今日はコーヒーを取り巻く社会課題を解決するための活動を続けている「imperfect表参道」のコーヒーをいただきながら、遠い空の下でコーヒー生産に携わっている人々に少し思いを馳せてみたいと思います。

(参照)サードウェーブの先にある、本質を見極められる社会へ

コーヒーとの相性が抜群な焼き芋プリン

さて、コーヒーに合わせて今回ご紹介するスイーツは焼き芋プリンです。焼き芋を使うことで、お芋にすでに火が通っているのでプリン作りの手間が一つ省けます。でも、生のサツマイモがあるのでしたら、それを蒸したり、茹でたり、焼いたりして、自分で火を通してからプリンを作るのももちろんOK。さつまいもは品種改良がされ種類も豊富。私は地元のブランド芋”かのや紅はるか”を使いましたが、お好みのお芋を使っていただいて大丈夫です。また、砂糖は地元のものを使いたいという思いから黒糖を使っていますが、もちろん普通のお砂糖を代用して大丈夫です。キャラメルはコーヒーとの相性が抜群ですよね!

焼き芋プリンの材料

焼き芋プリンの材料 パウンド型 (容量 800-900ml)

生地の材料:150g 焼き芋、100g 黒糖、少々 シナモンまたはジンジャー、少々 塩、3個卵、125ml 生クリーム、100ml 牛乳

キャラメルの材料: 100g 黒糖、大サジ1 水、小サジ1 レモン汁

焼き芋プリンの作り方

まずは先にキャラメルを作ります。

黒糖と水を鍋に入れて混ぜて黒糖を軽く溶かし、中火にかける。鍋を持ち上げて揺らしながら混ぜるようにして溶かしてキャラメルにします。砂糖をヘラで混ぜると結晶化しやすいので、この方法がオススメです。黒糖を使う場合、すでに色がキャラメル色なので分かりにくいですが、揺らしていて鍋底がよく見えるようになってきたらキャラメルの出来上がりです。鍋を火からおろしてすぐにレモン汁を入れ、一気に温度を下げます。この時キャラメルが跳ねることがあるので注意! 鍋を揺らして均一に混ざったらすぐにパウンド型に流します(置いておくとキャラメルは固まってしまいます)。鍋に残ってしまったキャラメルはそのままでは洗えないので水をひたひたに入れてから、鍋を火にかけて沸騰させると、キャラメルが水に溶けて後片付けが簡単です。

次はプリンの生地を作ります。焼き芋は皮を剥いてから計量します。ボウルに入れてマッシャーでつぶすか、ブレンダーでピューレにします。お好みでスパイスを混ぜ、そこへ卵を1個ずつ割り入れて滑らかになるように混ぜます。

鍋に生クリームと牛乳、黒糖を入れて火にかけて温めます。黒糖が溶けたら火からおろし、サツマイモ生地に混ぜながらゆっくり流し入れて均一にして、濾し器でこして滑らかな生地を作ります。

プリン生地はキャラメルが入ったパウンド型に流します。それを深みのある鉄板かベーキングトレイにのせ、お湯を周りに流し入れて湯煎を作ります。型の高さが1/3くらいがお湯に浸かっていれば大丈夫です。160度に予熱したオーブンに入れて30分焼きます。表面を触ってみて(柔らかいので注意しながら)固まっていればOK。焼きあがったプリンは網に乗せて冷まします。そのあと、冷蔵庫で冷やします。

最後にプリンと型の間に細いナイフを当てて一周して、プリンを型から外してお皿に移します。

コーヒーを添えて、有意義なエシカルコーヒータイムをどうぞ!

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<プロフィール>

門倉多仁亜

1966年兵庫県生まれ。日本人の父とドイツ人の母の元で日本、ドイツ、アメリカで育つ。国際基督教大学卒業後、証券会社の勤務を経てコルドンブルーにてグランティプロムを取得する。

現在は、東京と夫の実家のある鹿児島の2拠点をベースに暮らしており、料理教室を主宰する傍ら、メディアを通してドイツ人のシンプルな暮らしをメディアを通して紹介する。

著者、「タニアのドイツ式心地よい暮らしの整理術」(三笠書房)、ドイツの焼き菓子(SBクリエイティブ)など。

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